今週、世帯主年収1200万円以上の家庭の児童手当が廃止されることが閣議設定されました。
SNS等でブーイングが起きています。子育て世代である我が家にとっても見逃せないニュースです。
現状、960万円以上の高所得者の児童手当は子どもひとりあたり月5000円になります。960万円以下の場合は、3歳未満で月15,000円/3歳以上で月10,000円支給されています。
今回の改正で浮いた予算は350億円程度となります。これが待機児童の解消に充てられるということです。
この改正の問題点
今回の改正の問題点は、
- 子育て予算の中でやりくりをしてどうする。370億円程度の予算も付け替えれないのか。
- そもそも親の年収で、子どものための支給金額を決めるのはおかしい。ただでさえ高所得者家庭は、保育園料や学童料金などで多く払っている。高校無償化も対象外。
- 待機児童の解消予算は、消費税増税で補うのではなかったのか。
- もともとは子どもの扶養による所得控除をなくして始まっている児童手当。一律給付は所得再分配の観点からはよかったのに、これではただのハシゴ外しである。
というようなことにまとめられると思います。
本来児童手当は、子どもの扶養控除の廃止の代わりにスタートしています。扶養控除の廃止は高所得者により利するシステムですので、一律に児童手当を配布する方が理にかなっています。
(今回の前段階の親の所得による金額の差をつけている時点でどうかと思いますが…)
すでに高所得者家庭は、保育園・学童・授業料(高校)などで低所得者に比べて多く支払う仕組みになっています。ここに給付も廃止となると、もともとの扶養控除の廃止からはじまった理論が明らかに崩れます。
今回の給付廃止による予算は370億円程度です。ただでさえ少ない少子化対策予算の中でやりくりをしてどうする。370億円程度の予算の付け替えできるでしょう。GO TOの予算は兆ですよ。
また消費増税時の使い道では、待機児童の解消に使うという項目も入っていました。
これってどうなったんでしょうか。足らないのであれば、10%では足りません!って言えばいいのではないでしょうか。だからまずは高所得者の手当を廃止します。それでもたりなければ………。
といろいろ思うところを書いてきましたが、まとめると
この国は、少子化対策を本気で考えていない!
ということに尽きると思います。
2020年の新生児数は84万人台。2021年はコロナ禍で80万人を割り78万人になる試算もあります。
現在の年金制度は現役世代が支えるという無茶苦茶な制度設計になっています。この制度を変えるか少子化対策をするしか方法がなかったのです。
どちらもやらない日本。
未来をみない日本。ゆっくり終わっていっています。
それを再認識したニュースでした。