金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術
確定拠出年金制度を使って、15%の節税効果!!
今や引っ張りだこの著者。結構あちこちで出てますよね。
さて、本書は確定拠出年金について考えさせてくれる、そして気づかせてくれた一冊でした。
今まで確定拠出年金という言葉は見聞きしていましたが、どうにも取っ付きにくい。イマイチよくわかりませんでしたが、この本を読んで、すんなり理解できました。
本書が言う年利15%というのは、あくまで節税効果の上での話。
逆に言うとあくまで節税ベースなので、元本保証商品にであれば確実に年利15%だとも言えます。
まず本書は既存の年金商品の否定から入ります。年金向けの保険商品として有名なのは、変額個人年金保険と定額保険年金保険ですが、変額は手数料が高い。そして定額はインフレに負ける上に長期運用を考えた場合の利回りとしては低すぎだとバッサリ。
さらに節税効果に関しても控除の上限があり後で紹介する確定拠出年金に比べて見劣りすると述べられています。
確定拠出年金とは老後のために月額決まった額を積み立てして自分で運用する制度。
自分が加入する年金制度によって拠出する額の上限が変わります。
僕自身の場合は、個人型の会社員になりますので、月額23,000円となります。
(この23,000円属するのは、会社員で企業型年金がない人で、多くの方がこれに属するのではないでしょうか)
ちなみに自営業の方は月額68,000円まで拠出することができます。
確定拠出年金のメリットまとめ
確定拠出年金を利用するメリットは、下記の3つです。①所得控除が受けられる!
②運用益が非課税
③受け取りを退職所得控除にできる
ここからは僕の場合である23000円の拠出に基づいて話を進めていきます。
これは年額になおすと276,000円になります。
この額が課税対象の所得から引くことができます。つまり現在500万円の課税対象の人だと474万円が課税対象のとなるのです。
この層だと所得税が20%、住民税が10%ですので、
¥276,000 × 30% = ¥82,800
が税金として安くなるということです。
これが現在35歳で25年続くと考えると、なんと25年で207万円も税金を払わずにすみます。
※課税所得500万円を想定
さらに値上がり益と利息に関しても非課税。
これはもちろん運用次第ですが、想定してみましょう。
23,000円を上記と同じく25年積み立てた場合、690万になります。
利回り1%の場合は、787万円に、3%の場合は1036万になります。
この場合の税金は、利回り1%の時で約20万円、3%の時では約70万円となります。
これが非課税となります。
先程の207万円と加えると安定運用の1%でも約227万円、3%で約277万円の節税となります。
確定拠出年金を実施した場合の利点が、否が応でも長期で積立できるという点。
ドルコスト平均法のメリットは各所で語られていますが、これをシステム的に実施することができます。
仕組み化することって大事ですよね。
受け取りに関してですが、多くの場合は、退職所得控除というものを使うことができます。
先の25年積み立てた場合は、1150万円までが控除対象となります。
月額23,000円の拠出であれば、全額が非課税となります。
※この部分が退職金と合算になるのかなどが不明
確定拠出年金のデメリット
ここまで確定拠出年金のメリット面を見てきましたが、デメリット面について考えてみましょう。①60歳まで引き出せないこと
急な出費に対応できません。貯金ではなく、あくまで老後のための年金積立なんですね。
急な出費や老後までに必要な資金は別で用意する必要があります。
そこまでお金が見えないという人は、住宅の目処が付いてからはじめるのも手だと書かれています。
(住宅に関しては、個人的には賃貸派、もしくはローンは組まない派ですので、個人的には関係ありません。住宅にかんしてはまた別の機会に)
また、運用が長期に渡るのでインフレ対策をする運用を心がけないといけません。
②運用商品が充実していない & 運用は自分次第
個人的に確定拠出年金に踏み込めなかったのが、ここでした。
ETFなどが普及しつつある中で、金融機関が用意している各ファンドが信託報酬が高かったりとどうしても買う気になりませんでした。
また当たり前ですが、運用は自分次第です。元本割れの可能性もありますが、そこはドルコスト平均法でカバーでしょう。
③給付の税額優遇に関しては本当に得なのか?
こちらも気になる点です。
退職金控除が使われるので非課税で収まるのですが、これって通常の会社の退職金と合算なのでしょうか?
また、控除を超えた部分に関しては、給付額全額に税金がかかります(課税対象額は、控除を超えた部分に関して1/2で計算されます)。
これって通常の運用なら運用益に対して20%なので、明らかに不利ですよね…。
要するに損をしても税金がかかる…というわけです。
ではどうするか?
でどうするか。デメリットの運用商品問題&受け取りに関しての問題はありますが、メリット部分が多いと個人的に判断しました。
強制的に長期投資できる仕組みということと現在の1万円は将来の1万円より価値があるという考え方で、現在の節税効果を優先しました。
実際、どういう手続きをして開設、運用方針などは、別の記事にて書きたいと思います。
お楽しみに。
金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術
- 作者: 竹川美奈子
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