たまたま本屋で見かけて手に取りました。Amazonで解説を読むと
ネットメディア「現代ビジネス」に「飲食店経営に手を出したら、その先には『地獄』が待っている」「60過ぎたら、退職金で会社を買いなさい」などをアップ、累計500万超のPVという記録を打ち立てた話題の記事の書籍化です。
ということでした。全然知りませんでした。
WEBの記事が元ということで合点が言ったのですが、前半はいかに起業が大変かや、飲食業が厳しいかなど、本題と違うネタが続きましす(これはこれで面白いのですが、本のタイトルとは違いますね)。
タイトルにある「会社を買う」というのは、中小企業の後継者不足から「大廃業時代」がやってきているというもの。もちろん玉石混交だけれども、いい会社も多く含まれており、それを40~50代で購入し、事業継承をしようというもの。
大きな会社勤めの人間は、実は効率的な仕事をしてきており、それを中小企業に当てはめるだけで業績は改善するというようなことが書かれています。
具体的には、
- 在庫の洗い出しをする
- 製品ごとに営業利益率を計算する
- 赤字の顧客とは取引をやめるか、値上げを交渉する
- 不良在庫を処分する
- 不採算部門をやめる
- 帳票をシステム化する
- 全仕入れ先から見積もりを取り直す
- 部品の発注ロットを小さくする
- 部品の納期を確認し、早い発注を抑える
- 在庫の置き場所を最適化する
- 運送会社と運賃の交渉をする
- ホームページを作り、自社技術を公開する
- 新規の展示会に出展し、PRしてみる
- 業務効率化のクラウドの利用
- 新規顧客の見込み顧客リストを作ってみる
- 見込み顧客へパンフレットを郵送してみる
- 見込み顧客への電話をそれぞれ3回づつしてみる
- 名刺管理システムを導入する
- 勤怠管理クラウドサービスを使い、社員の生産性を可視化する
- 会議を開き、社員の意見を聞き、自分の考えを伝える
- 朝礼で、前日と当日の行動管理をする
- 週次会議で、先週と今週のPDCA管理をする
- 月次、四半期、年度計画を立てて、進捗管理をする
というようなことが書かれています。確かに大きな会社では当たり前のことです。サラリーマンとして数十年やってきたこの当たり前を導入しようということでした。
最終章では奥の手として、自分の出身の会社にその会社を買ってもらい、自分が社長に座るという方法が書かれていました。発注先をまとめてその会社に発注するなどで目下の売上を確保することができます。
さらに特約をつけて、5年後にはその会社の株を自分に戻すというような方法がとれれば、それだけでひと財産作れるということ。
ここまでは、なんだかなぁと思ってしまいますが、会社を買うという発想はなかなか面白いものです。実際に実行に移すかどうかは?ですが、こういう発想があるということが面白いです。
太陽光発電設備を持って、個人レベルとはいえ事業をやるようになって視界が広がったように、会社員時代とは全く違う考え方の世界なんだろうなぁということは伝わってきます。