お金について、徒然と。

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なぜ近所の純喫茶店は潰れないのか?

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数年前のベストセラーに「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」という本がありました。今回は、その類のリアルな話を聞いたので書き留めておきます。

 
僕の住む家の近所に古い喫茶店があります。個人経営の純喫茶。一見さんは入りづらい雰囲気があります。朝は5時ぐらいからやっていますが、夕方には閉まってしまいます。
お客さんは朝が早くから空いているためか、同じく近所の野球グランドを使う草野球チームのメンバーが、朝や土日を中心に利用しています。
 
先日、この草野球チームに所属する人と話しをすることがありました。するとなんとその純喫茶店のオーナーは、野球大好き。さらにこの地域の草野球界のドンだということ。
草野球リーグもいくつも主催しており、新聞の市民スポーツ欄に、その店の名前が入ったリーグ戦名の結果が掲載されているほどという。
草野球チームもいくつも運営しており、なんとチームの年会費に、純喫茶のモーニング代が含まれている(朝食付き)
 
知人曰く、草野球界のナベツネ
 
これを聞いた時、なるほどこんなビジネスモデルがあるのか!と感心してしまいました。

この飲食店のビジネスモデルについて考えてみた

このお店の場合は、おそらくオーナーの趣味が高じて、このような運営形態になったのだろうと思います。結果としては、ストーリーのあるビジネスモデルになっています。
成功(経済的な点は別にしてもオーナーは幸せだと思います)の要因は幾つか挙げられます。
  • 立地(近所にグラウンドがあった)
  • オーナーの行動力と情熱
立地は飲食店の成功の必要条件の1つです。ただ喫茶店の商圏としては、せいぜい500m程度だと思います。実情を知る僕が思うに、住宅地があるものの大通りでもない場所に立つ一喫茶店としては、本来ならちょっと厳しい立地だったかもしれません。
しかしグラウンドの野球チーム運営と喫茶店を結びつけることで、通常の商圏を大きく超える商圏が出来上がりました
 
もうひとつのオーナーの行動力と情熱は、飲食店の成功の十分条件でしょう。このお店の場合、オーナー自身の「野球好き」という情熱を喫茶店経営と絡めあわせたところが素晴らしいビジネスモデルですよね。
 
 
近所の施設やスポーツイベントと掛け合わせた飲食店経営というモデルは、ある程度成立するでしょう。各地にはご当地野球チームのファンの店なんかはありますよね。
しかし一番大事なのは、飲食店のオーナーがどれだけ情熱があるかということです。そしてお金が流れてくる仕組みを作れるか。今回の場合は、年会費にモーニングチケットが込みになっている部分がポイントです。
 
 
そしてもう一つ気付いたこと。
それは、自分の近所にもこうしたビジネスモデルを転がっていること。驚きでした。本で勉強することも大事でしょうが、やはり百聞は一見にしかずですね。
 

 

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

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