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NHKクローズアップ現代で「ふるさと納税」について特集!ということで「ふるさと納税」について考えてみた。

先日、NHKクローズアップ現代で「ふるさと納税」が特集されていました。

※余談ですが、クローズアップ現代って良い番組ですね。録画して気になる回だけ観ています。
 
クローズアップ現代で取り上げるぐらい「ふるさと納税」って認知度が上がっているのですね。
いつもはこの制度を使う立場からの体験談が多いので、逆に自治体側から「ふるさと納税」について考えてみたいと思います。

制度利用者を3分類してみる

どういう人が「ふるさと納税」を利用しているのだろうかということを考えてみます。大きく分類すると次の3つではないでしょうか。
  1. 特典目的
  2. 多額の節税目的&富裕層向け
  3. 土地への愛着
まず1の特典目的は、わかりやすいですね。実質2,000円の負担で、あちこちの特産品がもらえます。ここ最近の「ふるさと納税」ブームはこの特典競争によって引き起こされています。
確定申告さえすればサラリーマンでもできることも利用者が増えている原因だと思います。(2015年度以降は確定申告も原則不要に)
 
続いて2の多額の節税目的としての「ふるさと納税」について。庶民にはわかりませんが、世の中には超多額の税金を納めている方もいます。ふるさと納税の特典の中に100万円などの寄付額の特典が用意されている場合があります。
昨年末に、ジェイコム男で有名な個人投資家が、ふるさと納税で純金の手裏剣を手に入れたというニュースが流れました。
純金だと売却できる資産になりますもんね。こうしたこの制度を活用した大規模な節税対策があります。また税金を払うぐらいなら、還元率が低くてもモノや体験に変えてしまおうというお金持ちがいても不思議ではありません。
 
最後は、その土地に愛着を持ってもらった結果の「ふるさと納税」です。クローズアップ現代でも、この部分にかなりの時間を割いていました。
単なる特産品目当てだったものも繰り返すうちに土地への愛着が湧いてくる場合があります。
また使い道としての自然保護&自然体験ツアーなどの催しも土地への愛着による「ふるさと納税」の一種といえます。
 
この3つが主なふるさと納税実施者になるのではないでしょうか。

自治体側はどんな納税者を望むか

先に納税者側(自治体側からはお客さん)の分類をみました。今度は自治体側からみたそれぞれの納税者の特徴を考えてみましょう。
 
1の特典目当ての納税者
このタイプの納税者が圧倒的に多い。とにかく特典還元率目当てなので、自治体間競争が激しくなりつつあります。
ただ特典自体が地域産業の育成に繋がるという見方もあります。
また、このタイプの中から3の「土地への愛着」型に繋がっていく可能性もある。いずれにしろ無視できないタイプの層。
 
2の富裕層&節税型の納税者
一発ホームラン的な要素大。純金工芸品は還元率も含めてよく考えたものです。それ以外にも一品もの、普段ではできない体験ものなどを用意して富裕層目当てにするのも一計。寄付が来るかこないかは、特典と景気次第か。
 
3の土地に愛着型の納税者
自治体にとっては一番ありがたい納税者。しかしまだまだレアなタイプである。特典目当ての納税者をリピーターとしてどれだけ定着させていくかというところ。
イデアとしては、「いかに対象自治体に納税者に来てもらうか」というところが大事なのではないでしょうか。
地元花火大会の特定席の用意とかは面白いと思いますし、複数年続けて納税者には特典の農家へのファームステイなんかも考えられると思います。

まとめ

結局は、ゼロサムゲームであるふるさと納税。個人的には国による地方交付金というバラマキよりもこちらの方が、資本主義的だと思います。
各自治体同士のサービス競争をするということが一番重要であると思います。田舎の自治体だと地元の税収を超える自治体もあるようです。そうなってくると無視はできませんもんね。
 
納税者はどんなものを望んでいるのか?
 
それを考えるだけでも価値はあると思います。勝手に予算が振り込まれてくるスタンスとは雲泥の差があります。
予算はもらうものではなく、稼いで取りに行くものだ!
民間企業では当たり前ですが…。
 
もうひとつ、「ふるさと納税」とは「ふるさと」と名前がついてます。
他の地域にいる納税者が訪れてみたくなる、「第二のふるさと」にしてもいい、それぐらい「土地への愛着を持ってもらうにはどうしたらよいか」を考えることが重要であると思います。
 
過疎問題は、それぐらいの心構えで考えないといけないところまで来ていると思います。
 


ふるさと納税 ブームが問うものは - NHK クローズアップ現代